子供の足は大人の足のミニチュアではない!

子どもの足は毎日成長する

四つん這い(四足歩行)から捕まり立ち、そして歩き(二足歩行)だしてさらに飛んだり走ったり出来るようになるまでには骨、靭帯、筋肉等の発達成長を伴いながら10歳ぐらいで一応の形になります。

個人差はありますが、男子は15歳、女子は13歳頃まで成長を続けます。簡単に言うと毎日、以前とは違う足ということになります。

この成長の過程において正常な発達から逸脱していると考えられる場合に、インソールを使って発達の方向を正しく促します。

子どもの足の発達

立つための完璧な準備ができた健康な足の赤ちゃんは、ある日歩き始めます。

足の指だけの力で体を前進させてみます。足の訓練にはなるのですが楽しいことではありません!

■ 足のトレーニング

遊びの中に足指の運動を取り入れることで足部の筋肉をバランス良く鍛えることが出来ます。
楽しくできることが長続きの秘訣!

裸足で芝生
芝の感触は野生の感覚を研ぎ澄ましてくれるかもしれませんね!

子ども靴への取り組み

中央は大人用(外反母趾)で、左右は6歳の子供用(偏平足)です。

上靴用に製作しました。通気性をよくするためにパンチ穴を施してある素材を使用しました。

外靴用に製作しました。機能性は同じですが、砂粒がインソールに入り込まないように、パンチ穴の無いタイプの素材を使用しました。

ラ・ムスタッシュでは、
お子様の成長と発達にあわせた靴のご提案から長期的なサポートまで行っております。

子供の足は成長の力を味方につけることが出来るので、大人の足にくらべて思い切った調整が出来る事があります。

幼児期の靴から成長期の靴の選択、そのほかスポーツ時の靴のインソールの調整など様々なご要望もサポート致しますのでご相談ください。

お時間の許す方は以下の文章を参考までお読みください!

子どもの足と脚は完成した大人のそれとは全く違います。
子どもの身体は成長、発達を続けながら13〜15歳位までに大人の様な足の形、耐久力、安定性などが出来上がります。

<足部の成長過程における特徴> 立位を取る為に必要な発達

1歳位の立ち上がり期は足の発達の一部として、後足部に対して逆の動きをする前足部の発達が挙げられますが、この反対運動は立ち上がる様になって完了します。
後足部距骨の発達と位置の変動があります。これらは重力に対抗する為の発達です。
そして結合組織、靭帯、骨化の強化等により支持性が増大します。
足の縦アーチは大体2歳位から目に見える形で形成され始めます。

<脚の成長過程の特徴>

子どもの靴は成長と共に様々に変化する子供の身体を支えなければなりません。
1歳を経過した頃から股、膝関節の伸展により脚形状がO脚から真っ直ぐ方向へ変化します。
2歳半頃から、大腿骨の前捻により膝関節が内旋して、3~4歳頃にⅩ脚が一番顕著になりその後、
前捻していた大腿骨の近位部(股関節側)のみが後捻して、脚形状が真っ直ぐ方向へと変化します。
6~7歳頃になると、前述した足部の縦アーチの形成により、足関節が外旋して脚形状は安定します。この様に足と脚とは相互に関連し合いながら、下肢全体の成長、発達を成し遂げます。
足の伸びは生後6ヶ月~6歳位は、年に2cm。2歳~3歳頃は、年に1.5~2cmです。
この後、足の成長は遅くなります。3歳以後は年1cmです。

さらに女児の場合は8歳~10歳頃、男児の場合は8歳~12歳頃、再度成長度が大きくなります。
女児は13歳前後、男児は15歳前後で最終的な足長に達しますが、個人によって違いがあるのは当然です。

<具体的な靴の選び方> 発達を支える靴えらび

靴は大き過ぎても、小さ過ぎても成長、発達を阻害するばかりか、足趾や爪の変形を誘発し、怪我の原因にも成ります。足趾にとっても本来の役割である歩行中のバランスを取る事や、蹴り出しの役目を果たす事が出来ません。

靴底の機能は、子供の足は前足部から後足部への、相反する運動による捻転で発達するので、大人の靴とは違う構造、つまり子供の足の動き(捩れ)を妨げない構造であることが必要です。

靴のつま先の余裕は、歩行や走行時の足が前に押し出される動きに対応して、大体5㎜位、成長を見越して8㎜程度は必要です。

靴の中は基本的に見る事が出来ないので、中敷が取り外せる構造が良いでしょう。
購入時に直接目で見て、サイズや、足先の形と靴のつま先の形が合っているか確認でき、何時でも取り出して大きさの余裕の確認が出来るので安心です。

この他にも甲の高さ、足幅も合わせなければなりません。
お古やお下がりの靴は、その靴が歪んでいる場合には後から履いた人がその影響を受けて、健康を損なう恐れがあるので要注意!です。

<よい子供靴とは>

子供の足の為の様々機能が、ハイレベルで組み合わされた靴です。

① 身体の軸に対して影響力のある後足部を支持する為に、踵部は硬いヒールカウンターで支えられている構造であること。

② 踵部の機能を生かすと共に、足が前方に滑り出るの防ぐ為に、足をしっかりと保持する甲部の留め具があること。

③ 発汗量が多いので、通気性を保つ素材、加工、縫製がされていて靴の内部で足を傷つけない仕上げである事も大事です。

④ 靴のデザインは、子供の足と成長に合わせたプロポーションであること。
靴底の接地面に製造上のデコボコが無く、安定性が確保してあり、正しい位置、(趾節関節)での踏み返しが出来ることです。

<子供の足を保護する>

子どもは自分から足や靴の不具合を訴える事はほとんどないので、子どもの足の健康を守るには親が良い靴を正しいフイッテイングで選び、靴が足の成長に合っているか何時も観察する事が大切です。

しかし、良い子供靴を選び、フイッテイングに細心の注意を払っても、当の子供本人がその靴を正しく履かなければ意味を成しません。靴の正しい履き方を子供に教える事は、子育ての躾の内に入ると思います。子供の足と靴にまつわる誤解も少なくありません。

  • 子供は裸足にしておけば健康に育つ!?
  • 子供は靴紐が結べない!?
  • 子供達の履く靴を管理する側の都合で簡単な脱着靴を指定する!?

これは皆、子供を管理する側の思い込みや勘違いや誤解です。

子供靴の普及に。

 2002年6月当時、愛知県内の幼稚園児4~6歳の保護者399名に対して実施された 「金城学院大学助教授 片瀬 真由美 氏」子ども靴の購入動機等のアンケート調査報告によれば、現在履いている靴に留め具が無いが36%、靴を購入する時に誰にも相談しないが68%、着脱の容易さを重視するが99%、安価である事が91%でした。
 フイッテイングは概ねしていると答えているが、とても怪しいです。一口にフイッテイングと言ってもピンキリで、靴に足を入れてみて、丁度良い!と思う事がフイッテイングではありません。フイッテイングの知識は勉強する事で、より向上しますが、良い子供靴を見分ける目を身に付ける事は長い経験が必要です。市場にある子供靴全てが良い子供靴であればいいのですが、子供靴全体の中に占める良い子供靴の割合は、残念ながらとても少ないだろうと想像します。なぜなら、靴屋の私自身が店頭に揃える為の良い子供靴を見つけ出す事がいつも大変だからです。良い子供靴は高い、売れない、だから造らない、これが社会の常識になっています。多くの人達が、品質の重要性を知らない為に低価格競争が促進され、大量生産の大量消費が市場を支配してしまいました。打開策として、靴文化先進国のドイツにある子供靴規格、WMSシステム(一つの足長に対して、複数の足幅の種類、つま先の捨て寸の割合、足先の天地の高さ、踏み返しの位置、人体に害を及ぼす素材に対しての規制などを設け、科学的な根拠に基づいた高品質の子供靴を提供しています)と同等の規格を作り上げて、それを普及させる事です。子ども達の身体を守る為に市場の中での良い子ども靴の割合を増やさなければなりません。それには、良い子供靴を求める皆さんの声を市場のニーズとして子供靴メーカーに届ける必要があります。